すべてが僕のチカラになるブログ。

「人生」「物語」を中心テーマに、日々感じたこと、考えたことをなんでも書き綴ります。

最高の人生のつくり方


妻に先立たれ、子供との関係も上手くいかず、偏屈で自己中心的な老人が孫娘を預かることをきっかけに、人生の幸せを見つけ出す映画。
いくつになっても恋はできるし、人間は思い一つで変わることができるということを感じさせてくれる。

 

20代前半の頃、この手のタイトルの作品に速攻で食いついていた自分は、やっぱり人生に行き詰まり、迷走していたんだろう。
そんなことをしみじみ思いながらも、なんだかんだ未だに、ついつい食いついてしまう。だけどもまぁ、話の筋も大方予測できるようになり、最終的な着地点も理解できるようになったわけで、あの頃よりは幸せというものについて幾分理解進んだのだと思ったりもする。


幸せの形は人それぞれだけれど、万人にとっての幸せとは、他者と繋がっていること。

他者と分かりあい、笑い合い、気持ちを共有できることなんだと思う。


もちろん広い世の中には、ずっと一人でいたい、誰とも関わり合わずに生きてる方が楽だ、と感じる人もいるのだろうけれど、少なくとも僕はそれを幸せな状態だとは思わない。

 

この物語の主人公のように、人間は年を重ね、成功を積み上げるほどにプライドが肥大化してしまう生き物だ。自分の感情に素直になれず、つい思っていることとは違うことが口をついて出てしまう。
あるいは、傷つきやすく他人を信じられなくなることもある。この世に自分を理解してくれる人など一人もいないのだと、殻に閉じこもってしまうこともある。僕自身が痛いほどに経験したことだ。

様々な考えの人がいて、価値観の多様化が進む中、分かり合える人とは早々出会えないのかもしれない。

 

けれども、そういう諸々を乗り越えて、心から信頼できる人、心から愛することのできる人は、かけがえのない存在だ。

人間関係には様々なジレンマが付き物だと思う。作中、印象に残った台詞にも体現される通り、「愛には犠牲が付き物」。

そして、「出会いには必ず別れがある」。

人生も人間関係も、美味しいとこどりなんてできなくて、様々な厄介ごとを抱えていて、一歩足を踏み外せば崩れかねない不安定なバランスの上に成り立っているのかもしれない。
それでも、苦しいジレンマを抱えたその先に、確かな幸せを感じるからこそ、人は人と関わり続けたいと願う。